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環境ビジネス情報

SDGsとこれから求められる人材(環境ビジネスで働く人に聞く!)

目標12を通じてSDGsの達成に貢献

グリーン購入ネットワーク
事務局長
深津 学治 様

市場を通じて環境配慮型製品の開発を促進し、ひいては持続可能な社会の構築に資する極めて有効な手段であるというグリーン購入の認識のもと、 グリーン購入に率先して取り組む企業、行政、民間団体等の緩やかなネットワークとして設立された「グリーン購入ネットワーク」。
事務局長の深津様に活動内容やSDGsとの関わりなどについてお話しいただきました。

これまでのご経歴と現在の業務についてお話いただけますか?

学生時代は筑波大学大学院の環境科学研究科で、ペットボトルの再商品化に関するLCA分析と費用対効果について研究していました。社会に出るにあたって今まで研究してきたような環境問題に携わりたいと考えて就活をはじめたのですが、一般企業や自治体ですと、環境部署にいけたとしても、しばらくすると異動があったりするので専門的・継続的に環境問題に取り組むことは難しいと思い、研究機関や団体の専門職として環境問題に取り組めるような仕事を希望していました。ただそういった専門的な組織は新規採用が当時はあまりなかったので、それ以外のところも受け、最初はコープこうべに就職しました。しばらくは店舗で勤務し、食料品の陳列や棚の整理、店内アナウンスもやらせていただきました。

あるとき、環境関連のメルマガを見ていたところ、グリーン購入ネットワーク(GPN)の採用情報を見つけました。採用条件からは若干外れていたのですが、応募したところ採用していただけました。

グリーン購入ネットワークとは?

2000年の7月から勤務をはじめ、最初はエコ商品ねっとの運営、ガイドラインの改訂などを担当し、それから地域ネットワークの方との連携や、セミナーの企画・運営をやらせていただき今に至ります。現在は、事務局長として業務の進行管理や各業務のサポート、環境省の請負事業も担当しています。環境省の業務では、地方自治体の支援業務として、自治体に出向いてグリーン購入の方針の策定や見直し、研修資料の作成を行い、自治体が抱える課題を解決するという仕事をしています。そのほかにも自主事業として、政策提言をまとめて社会に発信したり、企業のサプライチェーンマネジメントの中で、自社の環境面や社会面の取り組みをセルフチェックして、お客様に求められたときにきちんと答えられるように取り組みを確認して伸ばしていくというプログラムの企画・運営をしています。あとは環境省の事業と重なるところもあるのですが、自治体の職員に向けた研修やランキング評価もやっています。

どのような研修内容でしょうか。

人事異動などで新しく担当になった国や独立行政法人、自治体の職員を対象に実施しています。グリーン購入の必要性や組織の中で実践するにはどのように取り組んだらいいのかなどを講義する他、担当者同士が意見交換できる研修会を、北海道から九州まで全国8か所程度で毎年実施しています。初めてグリーン購入の担当になったという方がほとんどですので、「グリーン購入についてわかりました」「他の自治体がどのようにやっているのか分かって参考になりました」というように、参加していただいた方には評価してもらっています。毎年恒例で新人を参加させると決めてくれている組織もあります。

ランキングは、毎年環境省が全国の自治体向けに実施しているグリーン購入のアンケート調査の結果を活用しています。アンケート調査結果は環境省のホームページに公表されていて、それに基づいてGPNが独自に45点満点で配点をしてランキングを公表しています。地方自治体のグリーン購入は、頑張っている自治体とそうでない自治体の差が開いてきていて、十分にできていない自治体の方が大変多いんです。私の出身である奈良県香芝市は、たった1点なんです。でも地方自治体は努力義務ですから、取り組もうという強い動機を持ちにくい。その人たちに刺激を与えて、やらなくちゃと少しでも思っていただきたいということで、毎年評価・公表していて、今年で4回目です。

やった結果、すごく反響があったというわけではないですが、議会で話題にしていただいたり、自治体内で他の市などと比べて範囲を広げようと動いたり、少しずつ影響が出てきているのかなと思っています。これからもいろいろな人にランキングの結果を知っていただいて多くの人に関心を持ってもらいたいと思います。

もう一つはSDGs未来都市などの推進都市と指定されている自治体もありますので、それらの言葉と絡めてランキング化したり、県単位でのランキングにするなどの見せ方の工夫もしています。自治体の方向けにはランキングや研修会を、企業さん向けには、持続可能な調達アクションプログラムに力を入れています。

自治体の方向けにはランキングや研修会を、企業さん向けには、持続可能な調達アクションプログラムに力を入れています。

Appleがサプライチェーンを対象に再エネで作った部品を納入してくださいとしているように、いま、企業がESGという視点でも社会的に評価をされるようになってきています。そのとき、評価を受けるのは企業単体ではなく、その企業がもつサプライチェーン、バリューチェーンといった全体での取り組みがブランドの価値、評価につながるんだと思います。つまり、最終製品を組み立てている企業がいかに頑張っていたとしても、上流の原材料調達段階で児童労働があったり違法材を使っていたり、下流で不法投棄が行われていたりすると、その企業の社会的責任やブランド価値が下がることになります。
ですから、今、企業は上流のサプライヤーの現地監査をしたり、質問票を送ったり、指導したりというように、サプライチェーン全体を把握・管理していこうという流れがあります。製品を海外に輸出している企業は以前からそのようなことをやっていて十分に進んでいるのですが、国内が主要なマーケットである企業やその企業と取引している企業ですと、環境のことはやっているけど、社会面の取り組みはまだ十分できていなかったり、取引先にそういうことを求める、というのはまだまだ十分にできていないケースが多く見られます。
そういう企業を対象に、まずは自分たちが何ができていて何ができていないのか、それを確認しましょう、できていないところはどうやったらできるのかを次の段階で学んでいきましょう、というステップを刻んでいただきたいと思って、このチェックリストを昨年作りました。答えていただいた方には、平均点に対して優れているのかそうでないのかとか、どうやっていったら良いかなどのコメントをつけて個別にフィードバックレポートをお返ししています。

この評価の基準はどういったものを参考に作成されたのですか?

いくつか参考にしたものはあるのですが、最初に東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が作った「持続可能性に配慮した調達コード」 をベースにしました。彼らが調達するときに、環境面、社会面に配慮しますよということが記されているので、これをベースにしつつ、大手企業が取り組まれていることもミックスして作りました。


深津 学治(ふかつ がくじ)
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  • 事務局長