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環境ビジネス情報

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2017年1月号 地モノ作りの街墨田区の街作り

  1月(睦月) 24節気 ⇒1月5日(木)〜小寒・1月20日(金)〜大寒

糸魚川大規模火災

2016年12月22日、新潟県糸魚川市で大規模な火災が発生、10時間以上にわたり燃え続け、144棟を焼き払う未曾有の被害をもたらしました。被害に遭い、家や店を失われた方、怪我をされた方に心よりお見舞い申し上げます。完全に鎮火したのは、火災発生後30時間を経てから、といいます。不眠不休で消火に当たった消防署の方々の働きぶりに敬意を表したいと思います。火が燃えさかる10時間は当然のこと、くすぶる火を消火しながらひとつひとつ鎮火を確認していく20時間にもわたる作業は気の抜けない、過酷なものだったのではないでしょうか?

今回の火災、これほどまでに大規模な火災であったにも関わらず、犠牲者が1人も出ていないことに、驚きを感じざるを得ません。台風並みの乾いた風が吹きすさび、延焼のスピードが速かった火災で、犠牲者を出さず、スムーズに避難の誘導が行われた背景には、定期的な防災訓練が行われていたという事実があるようです。木造家屋が密集する同地域では、普段から大規模火災が危惧されていたそうです。

火事は起こさないことが第一ですが、万が一起きてしまった際に、迅速に避難できるように、普段から心がけておくことの重要性を再認識させられる火災でした。

モノ作りの街墨田区の街作り
◆◆生産年齢人口比率の減少に歯止めをかけるために

墨田区新年1回目のグレイスチャレンジでは、墨田区の街作り、街興しの取り組みを紹介します。街作り、街興しというと地方の過疎の自治体を思い浮かべがちです。都心で、超人気観光スポットであるスカイツリーのお膝元でもあり、墨田の生まれである画家北斎の作品を集める北斎美術館もオープン、さらには内外に根強い人気のある相撲のメッカで、本場所も年3回開催されるというように観光資源に恵まれた自治体に街作り、街興しなど必要ないのでは? と思われがちです。

しかし、そんな墨田区も数多くの問題を抱えています。区の人口は、ここ数年増加傾向なのですが、年齢区分ごとの人口割合では、1995年以降、年少人口と生産年齢人口の割合が減少を続け、その分老年人口の割合が増加しています。1995年に 15.5%であった老年人口の割合は、2015年には 23.4%まで増加しています。生産年齢人口自体はわずかに増加傾向にあるのですが、総人口に対する割合では年々少なくなってきているのです。少子高齢化は、どの自治体も直面している問題ですが、墨田区もその例外ではないということです。

そんな中、少しでも多くの年少人口と生産年齢人口の増加を図り、区外からの来客を増やすために様々な施策が生まれ、実践されています。そのひとつが第10回「産業観光まちづくり大賞」経済産業大臣賞を受賞した「すみだ地域ブランド推進協議会/墨田区産業観光部産業経済課」の取り組みです。

その一例として、「産業観光プラザ すみだ まち処」との連携による観光客の拡大。東京ソラマチ内にある「産業観光プラザすみだまち処」では、伝統工芸職人の実演コーナーや街歩きに役立つ情報コーナーを設置しており、 すみだ地域ブランド戦略では、同施設と密に連携し、「すみだモダン」認証商品の販売や、同認証メニューを持つ店舗がわかるマップやカタログの配布を行っています。

もう一つの柱が、オープンファクトリーイベント「スミファ」の実施。墨田区は、大田区などと並び町工場が多いモノ作りの街です。墨田区では、区内の工場を開放し、来訪者が工場内の見学やワークショップ、製造体験ができるイベント「スミファすみだファクトリーめぐり」を2012年度から毎年実施しています。このイベントは、単に工場を開いて来訪者を待つのみでなく、参加対象者を絞ったツアーの実施や子供向けのワーク ショップ等も企画しています。世界のハイテク企業をもしのぐ町工場の職人技に触れることのできる希少なチャンスに熱心な参加者が詰めかけているといいます。

審査委員からは、「国内外から注目される日本のものづくりを資源として捉え、イベントなどを通じて広く PR し販路拡大に繋げるとともに、区内の回遊性を高める取り組みが評価される」、「地域産業の特性をつかまえ、広範囲に組織化され、インバウンド拡大時代にもマッチしている」、「世界的デザイナー・クリエーターと区内事業者(まち工場)の協働の仕組みが優れている」、「町工場(ものづくり)の集積地である墨田区において、工場見学(産業観光)だけではなく、付加価値の高い商品作りを通じて総合的にすみだブランドの向上に取り組んでいる点が評価される」、「伝統工芸をはじめ地場産業のブランド化への取り組みを早くから行い、成果を上げている」、「スミファの開催、町歩きの環境整備など幅広い活動が行われている」、「永年の取り組みとの連動性により、東京の観光ポイントのひとつとしても挙げられるブランド化に寄与している」などの声が寄せられているといいます。

スミファちらし

2016年の11月に開催された「スミファ2016」に参加した工場・工房は全21社。医療現場でも活躍する切れ味の手作りはさみメーカーの「石宏製作所」、芸術的な紙加工の「東北紙業社」、藻類と植物の可能性をさぐる農林水産・食・栄養の研究所「アグリガレージ研究所」など、自社で商品企画実績のある優れた会社が並びます。体験できる作業では「ニット生地を使ってライオンキーホルダーを作ろう!」、「MERIの布ぞうりレッスン」「“ワンプ”でトートバッグを作ろう!」、「ウレタンでクリスマスカード・年賀状のスタンプを作ろう」など魅力的なメニューが並んでいます。

また、墨田区では「人と人のつながり」をテーマにしたシティプロモーションと呼ばれるPR事業の開始を準備しているそう。定住人口と観光客のさらなる拡大を目指しています。次の休みには、スカイツリーや北斎美術館だけではない、下町墨田区の魅力を尋ね歩いてみませんか?