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その他 2017年4月号 インフラツーリズムをご存じですか?

  4月(卯月) 24節気 ⇒4月4日(火)〜清明・4月20日(木)〜穀雨

温暖化対策の行方

アメリカでトランプ政権が誕生したことで、国際社会におけるさまざまな流れが遮断されつつあることが憂慮されています。核軍縮に向けたオバマ前大統領の努力も、大幅な後退が予測されていますが、人類が取り組むべき最大かつ緊急の課題とも言える温暖化対策も大きな影響を受けそうです。トランプ米大統領は「米国のエネルギーの足かせを外す。政府の介入をやめ、雇用をだめにする規制は撤廃する」と宣言、3月28日にはアメリカ国内の地球温暖化政策を全面的に見直し、石炭産業を保護する大統領令に署名したのです。

中国に次ぐ世界2位の温暖化ガス排出国であるアメリカが温暖化対策に消極的になれば、パリ協定に参加する各国への影響は避けられません。また、アメリカは途上国の温暖化対策を支援する「緑の気候基金」に全体の3割にあたる総額30億ドルの拠出を表明してきましたが、トランプ政権はこれを打ち切る方針を打ち出しています。もちろん、州レベルでは対策強化を打ち出しているところもあり、低炭素化の流れが完全に遮断されるわけではありませんが、国政レベルでのこうした後退は、世界の温暖化防止の流れに竿を指すもの。

とはいえ、こんなことで意気消沈している暇はありません。こんな時こそ、日本のリーダーシップが求められるのではないでしょうか。化石資源には恵まれていないものの、再生可能エネルギーの資源には恵まれており、工業化も進んでいる日本の環境に対する取り組みは、世界のお手本になるはず。停滞や後退が許されない課題に対する貢献こそが、国際社会の中での日本の果たすべき使命なのではないでしょうか?

インフラツーリズムをご存じですか?
◆◆今年のGWは、隠れた名所を訪れてみませんか?

都市を支えるインフラと言ってもさまざまです。高速道路をはじめとする道路や鉄道などのインフラは、普段から目にしますし、利用もしています。港湾や空港も、いつもというわけではありませんが、利用する機会はあるでしょう。しかし、巨大ダムや発電所などのインフラ類は、私たちの生活になくてはならないものであるにも関わらず、普段私たちの目に触れることはありません。それらは巨大であるがゆえに、人口の少ない地域に建設されがちだからです。そんな普段は目にする機会が少なく、その存在さえも忘れがちなインフラを目の当たりにするインフラツーリズムが隠れたブームになっています。

例えば、巨大ダム。ダム建設では、山々に囲まれた集落がそのまま水底に沈むといった例もあります。それだけ、規模の大きなものなのですが、その巨大さに触れることができるのが巨大ダムの見学コース。外部から見ても、その壮大さは感じることはできますが、普段は一般の人は立ち入り禁止のメンテナンス用のエレベーターで、堤の真下まで潜入できるツアーが用意されているケースもあります。

また、建設中のトンネルの中を歩いたり、建設中の鉄橋を見学するツアーなども開催されています。できあがってしまってからは自動車の中からしか見られないもので、貴重な体験ができます。

そうしたさまざまなインフラツーリズムの中でも、もっとも興味深いのが、首都圏外郭放水路。
首都圏外郭放水路は埼玉県の東部の国道16号の地下約50mに建設された延長6.3kmの地下放水路で、地下河川としては、世界最大級を誇ります。あふれそうになった中小河川の水を地下に取り込み、江戸川に流すために作られた放水路ですが、驚きなのがそのスケールの大きさ。地下50mを貫く総延長6.3kmの施設は、水を取り込む直径30m、深さ70mにおよぶ5本の巨大立坑をはじめ、地中深く6.3kmにわたって走る直径10mの地底トンネル、重量500トンの柱が59本もそびえるマンモス水槽、そして毎秒200立方メートルの水を排水する14000馬力のタービンなどによって構成されているのです。そのすべてが想像を超えるスケール。中でも、マンモス水槽はその巨大な柱が立ち並ぶ光景から「地下神殿」とも称されています。

首都圏外郭放水路の現場見学

中川・綾瀬川流域の埼玉県春日部市を中心とした周辺市町は、荒川・利根川・江戸川などの大河川に囲まれたお皿の底のような低い平地が広がっており、勾配の緩やかな中川・綾瀬川の、ひとたび大雨が降るとすぐには水位が下がらず、しばしば浸水被害があった地域。そうした被害をなくすために作られたのがこの地下水路で、平成18年6月に完成。完成前の平成14年から部分的に稼動し、毎年8回程度の洪水を安全に処理することで、住宅地等への浸水被害を軽減しているといいます。

地下50mに広大な空間を構築する巨大土木工事、さらに集めた水を効率的に排出するメカなどには、日本の技術の粋が惜しげもなく投入されています。そのひとつひとつをガイド付きで見学することができるのです。何より、上の写真のような異様な空間が存在すること、そしてその中に入ることが圧倒的な経験といえるでしょう。 この首都圏外郭放水路の他、多くの巨大インフラがガイド付き見学可能です。しかも、その多くが無料! 事前申込みが必要ですが、今からならGWの予約も可能。今年のGWは、これまでとはひと味違う、インフラツーリズムの旅に出てみてはいかがでしょう?

インフラツーリズム ポータル
インフラツーリズム(国土交通省関東地方整備局)