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特集コラム
~サステイナビリティとキャリア~

サステイナビリティ視点で考えるアフターコロナの転職

キャリア 注目・話題 国内・国際

コロナ禍で見えた企業のサステイナビリティ

新型コロナウイルス感染拡大により、各企業が日々の事業運営とともに、ビジネスモデルやリスクマネジメントの見直しに追われていることと思います。近年は国内でもESG要素を取り入れた持続可能なビジネスモデルの構築や、SDGs推進が熱心に論じられておりましたが、そうした活動の真価が正に問われています。
ESG評価に優れた海外企業は3月時点で既にコロナ感染拡大を防ぐための様々な支援に取り組んでいました。

LVMH(アパレル)

香水や化粧品を製造する自社工場3か所で手指用消毒ジェルの生産を開始。新型コロナウイルスの感染拡大と闘う仏国内の病院に無償提供する。

Novartis(医薬品)

新型コロナウイルスへの有効性が試験されている抗マラリア薬のヒドロキシクロロキン1億錠以上を寄付する。

Microsoft(ソフトウェア)

AIと自然言語処理技術を駆使したバーチャルアシスタントが感染の疑いのある患者の問い合わせに対応することで、感染のスクリーニングと治療を支援。医師や看護師、その他の医療従事者の負担軽減に寄与。

米国ジョンズ・ホプキンス大学が公開する新型コロナウイルス感染状況トラッカー「COVID-19 Dashboard」 Microsoftや米国ESRI社が協力。

国内でも様々な企業活動が報じられるようになってきました。活動の先進性や独自性が注目されがちですが、最も身近なステークホルダーである従業員の安全対策を始めとした支援は規模や業種問わず行われてほしいものです。こうした活動や姿勢からも、企業のサステイナビリティやESG対応が伺え、アフターコロナの転職活動にあたっては企業選びの検討材料になり得そうです。

就職活動に与える影響

個人単位では、自宅待機やテレワークで平時とは違う環境下での仕事に取り組み、休日も一人あるいは家族と過ごすことにより、自身の職業のjob security(仕事の安定)や将来のキャリア、ライフプランを見つめなおす機会にもなったのではないでしょうか。

国内の雇用情勢は今後大きく変化していくことは間違いありません。経団連は政府要請を受け、「第二の就職氷河期を作らない」と掲げていますが、新卒学生の採用策定指針を昨年度で取りやめた団体の言葉に、安心する大学や学生も少ないでしょう。実際に様々な新聞社や人材サービス会社が行ったアンケートでは、多くの企業が採用人数を減少させる方針と回答しています。

中途採用にはどのように影響してくるのでしょうか。飲食・サービスといった大きな経営ダメージを負った業種を除き、多くの企業は、慎重になりつつも採用計画自体はそのまま継続、むしろ新卒採用の補填を中途採用で積極的に行う、という企業も出てきています。ただし、一次面接を多くの企業がWEB形式に変え、この流れは一時的なものではなく、今後の採用面接のスタンダードとなっていくはずです。ですから、WEB形式の面接に慣れておくことは今後の転職活動においては必須のテクニックとなってくるでしょう。

通信環境、機材(PC、カメラ、ヘッドセット等)を整えておく

通信トラブルで話の腰を折らない、流れを切らないように注意。

目線はカメラに向けて、話し方や相槌はややオーバーなくらいで

感情が相手に伝わるように心がけて。

簡潔な回答と会話の区切りが分かる言葉を入れる

相手の表情が読み辛い状態でいきなり延々と話すのは危険。論理的で簡潔なやりとりで徐々に距離を詰めていくように。長文になった際は「以上です」など付け加えることで会話が被ることを防ぐ。

相手の反応が薄くても落ち込まない

WEB面接は相手の反応が読みづらいです。面接中に手応えがなく、自分は落ちたと思っていたが実際は合格だった、というケースが良くあります。期待していたリアクションが得られなかったとしても、途中で諦めず、落ち込まず、ポジティブな姿勢を貫きましょう。

今こそサステイナブルな企業とキャリア選択を

売り手市場から買い手市場、という単純な転換ではなく、企業選び、仕事選び、そして人材選びが、よりシビアな世界になると見ています。応募者が企業を選ぶ際は、リスク下においても適切な対応をとっているか(ESG対応)、今の社会課題を捉えた事業展開を進めているか(SDGsの事業化)、そして、企業側はそれらを推進する原動力となる、あるいは成長が見込める人材であるのか、ということを面接でお互いがシビアに査定することになるでしょう。面接ハードルが上がるとネガティブに捉えるのではなく、今この時期だからこそ、自身のキャリアの将来性やjob securityをしっかり見極めて、持続可能(サステイナブル)な企業と仕事選びができるとポジティブに捉えてほしいと思います。

記事掲載日:2020年6月4日

著者プロフィール:
渡邉 功
(わたなべ いさお)

法政大学大学院修了 (サステイナビリティ学)。グレイス 人材ソリューション事業部部長
ゼネコンで東南アジアの土壌環境対策を経験。現在は国家資格キャリアコンサルタントとして環境ビジネスやCSR専門職の就職支援に従事。サステイナビリティ人材開発機構事務局長を兼務し大学と連携して学生のキャリア開発プロジェクトを担当。