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特集コラム
~サステイナビリティとキャリア~

技術士二次試験を受験される方へ

資格・勉強 キャリア 技術・科学

今年も技術士試験の願書受付期間が終了しました。新型コロナ禍という未曽有の状況下にあり、5月末現在、本来7月の試験日程を9月~11月を目途に延期すると発表されています。
技術士受験は願書を書くところから始まると言われますが、筆記試験に向けて、受験される方は準備を始めていらっしゃることでしょう。技術的な受験対策は参考書に譲るとして、そんな方々へ少しでもサポートとなるよう、私の受験体験とコンサルタント時代の後輩への受験指導経験から、二次試験の筆記試験におけるポイントを挙げてみたいと思います。

問われているのはコンサルティング能力

技術士試験で解答に求められているのは、何でしょうか?Wikipediaには、下記のように書かれています。

受験対策書や受験対策講座などでは『これまで習得した知識や経験等に基づき、対処すべき課題に合わせて正しく問題を認識し、必要な分析を行い、判断し、対応策の企画立案等を実施できる能力』『的確に問題点を把握して、創意工夫により解決を図る能力』などと説明されている。実際、技術士試験では、技術上の問題を発見し、それを解決できるかどうかを問う出題がされている。

(※1)フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

大切なのはそれらをいかに人にわかりやすく伝え、同意を得るかということです。解答を読む試験官を業務の発注者と想定して、コンサルタントとしての自分の考えを簡潔に述べるというスタンスで書くことがポイントの一つです。

具体的に実務経験に基づいて解答する

過去の試験問題は、日本技術士会のWebサイト(※2)からダウンロードできます。受験部門により問題は異なりますが、共通しているのは解答方法です。

午前(2時間) 専門必須科目(記述)原稿用紙(24×25:600字)3枚
午後(3時間半) 専門選択科目(記述)原稿用紙(24×25:600字)6枚

問題に対し、一般論や専門書に書かれている内容だけで原稿用紙3枚(1800字)を埋めるのは大変です。私が先輩から教えを受け、後輩に伝授したポイントは、「自分の業務経験に基づく具体的な課題、対策、結果に置き換えて記述する」ということです。自分の経験に照らし合わせることにより、筆が進み血の通った解答になります。そのためには、事前に願書に記載した自分の経験業務を過去問題に照らし合わせていろいろな視点から整理しておくことが必要です。

そして、具体的な解答方法ですが、まず問いに対して「私はちゃんと専門知識を持っています」というアピールとなるよう、キーワードを含めつつ一般論としてまとめます。その後、「同様の課題として、私の経験した業務では・・・」のように書き進め、自分の経験に照らし合わせて筆を進めると、原稿用紙3枚はすぐ埋まります。

試験官は受験者の業務を熟知しているわけではない

自分の業務に照らし合わせて解答を作るときに注意しなくてはいけないのは、採点する試験官はその業務について熟知しているわけではないということです。
初めてその業務に関わる方に説明するように、業務の目的、課題、求められている結果を最初に記載しましょう。事前に仕様書、報告書を熟読し、模擬答案を作成して、その業務に携わっていなかった先輩や同僚に内容をチェックしてもらうことをお勧めします。

筆記の答案は口頭試問で使われることもある

最終の口頭試問では、試験官から解答した内容について問われることがあります。私は「あなたの書いたここはこれでよいのですか?」と聞かれてしどろもどろになった経験があります。筆記試験終了後、解答を見直して、あやふやだったり思い違いがあったことについて復習しておくことは必須です。
時々、年次が浅く説得力が足りないと思って、上司の経験を自分の経験として書く方がいますが、試験官はベテランですから、無理な背伸びはすぐに見抜かれます。一担当者としての自分の経験を素直に記載しましょう。

鉛筆手書きというハードル

パソコンやスマホでの文章作成に慣れている昨今、これほどの文字量を原稿用紙に鉛筆で手書きするという経験はほとんど無いですよね。多くの受験者は受験対策として想定問題による模擬解答を作成すると思いますが、それを実際に手書きしてみると、時間内に手書きで原稿用紙を埋めることがいかに大変かわかります。全部書き終わるころには、鉛筆を持つ指が痛みで動かなくなります。
私のお薦めは「B」等の柔らかめの芯の鉛筆です。シャーペンは途中で芯が詰まったりしても慌てないように最低2本、消しゴムもきれいに消せる大きめのものを…。
また、書いた文字は他人に読める字でなければなりません。「人に読める字での手書きに慣れておく」ことも忘れがちな受験準備です。模擬解答用紙はWebサイト(※3)にありますので、利用しましょう。

なお、エコリクには技術士資格についての概要がまとめられていますので、そちらも参考にしてください。(※4)

記事掲載日:2020年6月16日

著者プロフィール:
中村 恭子
(なかむら きょうこ)

早稲田大学 理工学部応用化学科卒
大手建設コンサルタントで、河川、湖沼の水質保全、環境アセスメント等の業務を約25年間担当。
技術士(環境部門、情報工学部門)、公害防止管理者(水質第一種)