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特集コラム

アフターコロナの注目ビジネス!!「グリーンジョブ」が22世紀につながるビジネスである3つの理由

 
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みなさん、コロナで不自由な状況が続いていますがお元気ですか?ワクチン接種も進み、この先の展開に期待が持てる昨今です。
ただ、コロナ禍の出口は期待を持たされては先送り…という状況が続いていますね。コロナ禍の様々な規制は既存のビジネスモデルを大きく阻害していますから、出口を急ぐのは当然のことです。しかし、期待した出口が裏切られ続ける状況は、既存のビジネスモデルをさらに傷つけました。

みなさんの周りではどうでしょうか?たとえば新宿では飲食店の閉店はもとより、老舗ホテルの閉館や廃業だけでなく、今までは居なかった場所にもホームレスの姿が見られます。すでに新宿では既存のビジネスモデルが大きく傷ついていることを示す変化が満載です。

アフターコロナで「投資」するべきビジネスモデルはあるのだろうか?

コロナで傷ついたビジネスモデルを数え上げると切りがありませんが、これらのビジネルモデルが復活するのか、このまま廃れていくのか…見通しを立てるのが難しい局面ですね。誰しも、働くのであれば徐々に廃れていくビジネスモデルではなく、この先も発展するビジネスモデルがいいですよね。

仕事に就くということは、みなさんの「労働者人生」をそのビジネスモデルに「投資」しているということです。投資する価値があるビジネスモデルを見定めて、ぜひ後悔のない投資を実現してください。

さて、ここからはアフターコロナを見据える中で、私が注目しているビジネスモデルを紹介させてください。決して、宣伝ではなく、完全に中立な立場でこのビジネスモデルを評価しています。

私のイチ推し、グリーンジョブ

その私イチ推しのビジネスモデルとは「グリーンジョブ」です。グリーンジョブは直訳すると「緑の雇用」となるわけですが、もちろん、緑(森や樹木)が私達を雇用してくれるという意味ではありません。緑とはこれまで人類の経済行為でダメージを受けてきた「環境」を象徴した言葉です。正確に言えば、「環境を守るための仕事に就くこと」であり、2007年に「グリーンジョブ構想」を提唱した国際労働機関(ILO)は「環境に対する影響を持続可能な水準まで少なくする経済的に存立可能な雇用(仕事)」と定義しています。

具体的には、(1) 種の保存や生態系の回復推進、(2) エネルギー、材料、資源等の消費削減、(3) 低炭素経済の推進、(4) 廃棄物と公害の発生回避、これらに関連するビジネスモデルの全般を指していると思ってください。

もちろん、コロナ以前から提唱されていた発想ではありますが、なぜアフターコロナのビジネスモデルとして注目する意味があるのでしょうか?それは次の3つの理由によります。

グリーンジョブを推すべき3つの理由

1. コロナ禍で従来の経済活動が停滞した結果、環境本来の美しさを私達が再認識した

たとえば、2020年には飛行機や自動車の行き来が減ったことで空が綺麗になり、空気や風、そして空の本来の魅力を実感したことが話題になりました。従来型の経済活動は私達をある意味では豊かにしましたが、その反面、地球からの贈り物である環境の美しさを削っていたのです。この美しさをこれからも享受したいと考える人が増えてきていることでしょう。これはアフターコロナの新しい価値観の一つになりえると私は考えています。価値観が伴うビジネスにはお金も伴います。その意味で、グリーンジョブは大きく発展する可能性を秘めています。

2. 炭素燃料を始めとした「資源」を使い続けるビジネスモデルはいつか必ず限界が来る

これは最早言うまでもないことですが、SDGsでも掲げている「持続可能」への道において、大きなテーマの一つがこの問題です。資源は限りがあるだけでなく、使えば使うほど環境への負荷も増します。環境の許容力にも限りがあります。資源浪費型のビジネスモデルは資源が尽きるか、環境の許容力が先に尽きるか…という破滅への奇妙なレースを続けているのです。「1.」と合わせて、このことが広く伝わることで、「資源」ではなく「労力」に価値を見出し、人がいる限り持続可能なビジネスモデルの価値が再認識されつつあります。このこともグリーンジョブがビジネスとして発展する可能性を高めています。

3. グリーンジョブが発展することで人類の価値観の次の進化が起こり、グリーンジョブがさらに盤石なビジネルモデルに育つ可能性がある

最後に、グリーンジョブは私達の生活を変えた「iPhone」に匹敵する変化を起こしえると期待できることです。実は「スマートフォン」そのものは1990年代から存在しましたが、本当にスマートになったのはiPhoneの登場からでした。これによって、あらゆるビジネスがスマホ経由を目指すようになり、これまで分散していた情報の集約化が進みました。私達が情報を使いこなして快適に暮らせるようになったのは、スマホを使うというライフスタイルが創造されたからなのです。
情報の次に集約するべきは何でしょうか?私は「価値観の集約」だと考えています。一見すると誤解を招く表現に見えるかもしれませんので、少し詳しく紹介しましょう。

現代社会はダイバシティの時代です。多様な価値観が存在していますが、実は人の脳の構造上、価値観と価値観のバトルは避けられない宿命にあります。
価値観が多様であるからこそ、人類みんなが繋がれる、言い換えればみんなのこころを一つにできる価値観を人類と人類の進化は必要としているのです。私達人類のあらゆる暮らしは環境に依存して成立しています。その環境を守るという価値観は、あらゆる価値観の違いを乗り越えて、世界人類が共有できる価値観となり得る可能性があります。
価値観が伴う仕事に従事する人々の姿は美しいものです。この美しさが共有される中で、グリーンジョブは更に認知を高め、環境だけでなく世界人類を守るビジネスモデルとして認知され、22世紀には巨大産業に発展している可能性もあります。

ぜひグリーンジョブに注目を!

現状は未だそのスタートということで公的資金の投入頼みという局面ではありますが、その展開の中で順次大きな産業へと育つことでしょう。たとえば選挙などでグリーンジョブ育成の政策を掲げる政治家が注目されるようになると、その成長は加速すると考えられます。ぜひ今後のグリーンジョブに注目してみてください。

記事掲載日:2021年9月22日

著者プロフィール:
杉山崇
(キャリア心理科学者)

神奈川大学教授。
教育支援センター副所長、心理相談センター所長などを歴任。精神科、教育委員会、公的雇用支援機関などの心理職、厚生労働省事業の委員なども務め、企業人事施策のコンサルティングも。ニュースや学術バラエティなどTV出演も多数でベストセラー著作もある。学習院大大学院修了。