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環境ビジネス情報

私の転職ストーリー

 新たな環境分野で働く

株式会社オオスミ
開発室
佐伯 佳美さん

今回は、土壌を中心に環境分析から作業環境測定、企画・コンサルティングと事業を展開する株式会社オオスミ様に2012年11月にエコリク運営会社の株式会社グレイスからの紹介で入社された佐伯佳美さんにお話を伺いました。

佐伯さん、お久しぶりです。昨年の11月に株式会社オオスミ様へ入社されて約半年ほど経ちましたが、今回は、様々な環境ビジネスを行ってきた佐伯さんに、これから環境ビジネスへ転職する方のヒントとしていただくために、ご経歴やスキル、これまでの転職についてお聞きしたいと思います。 本日はよろしくお願い致します。

Q.まずは、専攻分野をお聞かせください。

佐伯 佳美さん 大学では地質学を専攻しておりました。その中で卒業論文では、火山の堆積物から、記録に残っていないような小規模な噴火があったかどうかを調べ、休火山とされていたものが、活火山である可能性を示唆するための研究に携わりました。大学が長野にあったので、焼岳や御嶽を中心に調べておりました

Q.環境分野を目指すきっかけはあったのですか?

正確には覚えていませんが、高校時代にお会いした物理の先生の影響が大きかったかもしれません。授業の中でアインシュタインやガリレオ等、科学者についてのビデオをよく見せてくれ、環境問題についてのディスカッションや生徒を集めて博物館に連れて行っていただきました。そのような高校時代が、私の素地を作ってくれたように思います。

その後、様々な方にお会いする中で、環境問題に対する考え方がどんどん変わっていきました。例えば、高校生のころは「割り箸は絶対にダメ」と思っていたのですが、何がいけないのかを考え、様々な経験をしていく中で、間伐材を活用した割り箸などはいいのではないのかと考えるようになりました。

Q.環境への興味の原点が学生時代にあったんですね。社会に出られてからのご経歴を教えてください。

大学卒業後、まず地質コンサルの会社へ入社しました。ここで6年ほど勤めていたのですが、地滑り等斜面調査や建設物地盤の調査等に関しての業務から、ボーリング調査の解析・報告書作成などを行っていました。当時の上司が非常に社員の教育や資格取得について熱心な方で、各協会の方を呼んで勉強会などもよく行っておりました。技術士の取得についても上司の影響でいつかは取得するという気持ちを植え付けられていました。

土壌汚染の業務も増えてきたので、化学についての知識を身に着けたいと思い、一度退職をして2年間職業能力開発総合大学校へ通いました。

その後、不動産関連の分析の仕事や土壌汚染関係の仕事を約6年、複数の会社で就業し、技術とは別の部分で難しさを感じていました。 不動産関係の土壌汚染の仕事がリーマンショックの影響で激減し、別の業務に携わりましたが、もう少し土壌汚染調査の経験が積みたかったので、派遣社員として汚染土壌調査に関する営業や地歴調査(フェーズ1)など様々な業務を経験したのち、昨年の11月から現在の会社でPCB処理の業務に携わっています。正直なところ、土壌関連の業務を希望し応募したのですが、面接の際に現在の上司のお話を聞かせて頂き、「PCB処理業務をやってみたい」と強く思うようになりました。

Q.現在のPCB処理とはどのような業務になるのですか?

私は今、「開発室」の配属で、ここでは新規のビジネスを計画し業務化するというような部署で、現在いくつかのプロジェクトを進めています。

その中で、PCB(ポリ塩化ビフェニル)処理について行っています。サンプリングから処理までを含めた一括コンサルタントビジネスのプロジェクトになります。現在は、お客様に概算見積もりや処理フローを提示、説明といった営業的側面が多いですが、将来的に競争力を持てるような技術力の強化を考えて模索しています。

PCB処理のプロジェクト以外でも、今年の2月に神奈川県主催で行われたビジネスオーディションへ出品した商品にも関わっています。

Q.今、まさに処理が重要となっているPCBの処理、また新たなビジネスを生み出すプロジェクトにも参加されているとのことですが、今のお仕事の面白さ・楽しさはどういったところになりますか?

PCB処理について、まだまだ作り上げていかなければならない点も多いのでそういったところにやりがいを感じます。また、新しいプロジェクトへの参加は、非常に面白みを感じています。現在、新たなことへのチャレンジを様々な場面でしています。

また、会社の取組として「一工夫報告」を年2回しています。これは、全社員が業務の中で自分が問題を見つけて、解決するために工夫したことをレポートにして提出します。その中から毎年5人ほど選ばれてプレゼン大会を行い、賞を決める取り組みもしています。入社してすぐにプレゼン大会があったのですが、初めはとてもびっくりしましたが、すごいなと感じました。

その他社員教育にも力を入れていて、部署ごとの勉強会や大学の公開授業への参加などを積極的に推進しているので、業務の合間を見つけて私も計画を立てて参加しています。

Q.それでは今も様々なことを勉強されていらっしゃるんですね。技術士など資格をお持ちの佐伯さんですが、今の業務に活かせているご経験等はございますか?

佐伯 佳美さん これまでの資格自体は、今の業務に活きているとは言いづらいですが、例えば、技術士の資格取得を目指す中で文章をかなり練習したので、現在お客様にお出しする際の文書の構成などを考えるのは、試験勉強の中で磨かれたと思います。

Q.技術士を目指されている方へアドバイスをお願いします。

今の試験制度がどうなっているかわかりませんが、技術士=記述士とも言われるくらいなので書くことは必要です。試験は、時事の問題から出るので、特に自分の分野とその周辺分野に関するニュースは、毎日チェックしていくのが大事だと思います。そして今、社会ではどのような問題があり、それを自身の仕事を結びつけて考えるのを意識するのがいいと思います。

技術士の勉強をしていた時は、電車の中で構成を考えて、家に帰って一気に書くという生活をほぼ毎日送っていました。結果、2年間で練習レポートが段ボールいっぱいになってました。

私自身も今の開発室ではそれが仕事に活きています。どのような問題があり、ビジネスとするならどういうところにサービスをして、最後にどのように売り上げとしていくのか。私は最後のところが甘いので勉強中です。

Q.これまで佐伯さんのご経歴を伺い、環境への興味の原点となった高校の先生、資格取得などのきっかけとなった上司の方、様々な方々との出会いがあり、今の佐伯さんがあるんですね。

現在の会社でも、興味のある分野の勉強は積極的に進めさせていただいていること、上司の方針で社員の育成に力を入れるとのことで、これからも色々と挑戦していきたいと思っています。

正直なところ、望んでいたわけではないのですが、世の中の状況から地質関係の仕事を続けるのが難しくなり、様々な未経験業務に移行せざるを得ませんでした。

しかし、それをチャンスと思い、挑戦し続けられているのは、今まで出会った方たちに恵まれていたおかげであると思っています。

Q.最後に環境ビジネスへ転職を考えている方へ一言アドバイスをいただけますか。

私自身が試行錯誤をしながら進めている部分も多く、できていない部分もあるのでアドバイスという程の事は言えませんが、厳しい社会情勢の中、どの企業も環境に貢献することはもちろんですが、そのためにも生き残らなくてはなりません。

そのためには、社会のニーズに対して答えを出していく会社となる必要があると思い、社会のニーズは何なのか?を広くアンテナを張ることが必要になると思います。また、これは私の経験上の話ですが、環境方面に限らず新しい分野に積極的に取り組めるチャレンジ精神と困難も含めて楽しめる好奇心が大切だと思います。

大変貴重なお話、ありがとうございました。