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環境ビジネス情報

私の転職ストーリー

 防災・環境分野で働く

応用技術株式会社
エンジニアリング本部 都市・地域計画部
保刈 和也さん

今回は、GISや防災・環境・建設分野を対象としたエンジニアリング事業と製造業向け各種ソリューション事業を展開する応用技術株式会社に2013年4月に環境job.net(現エコリク)を通じて入社された保刈和也さんにお話を伺いました。

今年の4月に入社されて1ヵ月半ほど経ちましたが、今回は、大学院を出て、独立行政法人産業技術総合研究所(以下、産総研)で働かれた後、応用技術さんに入社された保刈さんに、様々な視点で、これから環境ビジネスへ転職する方へのヒントとして、これまでのご経歴やスキルなどをお聞きしたいと思います。 本日はよろしくお願い致します。

Q.まずは大学・大学院での専攻分野をお聞かせください。

保刈 和也さん 大学院は修士課程を卒業しまして、学部・修士ともに専攻としては、大都市(東京やインド国デリー)の都市高温化現象(ヒートアイランド現象)を数値シミュレーション解析の観点から考える研究をしていました。

具体的には、都市のエネルギー消費をヒートアイランド現象の一要因と考え、その応答感度を調査する研究が主でした。都市域でエネルギーを多く消費すると人工排熱が大気に排出されるので、それによって都市域の気温が上昇。それに伴ってエアコン等の冷房器具の使用量が増えるので、そのエネルギー消費増加によりさらに人工排熱が増加。それら悪循環についての研究で、それがどれほど都市域の気温に影響を及ぼすか検討することが多かったです。

様々な条件下のシミュレーションを行ったのですが、例えば、都市域の人工排熱をゼロにしたり、都市をすべて草原にしてしまったときにどれだけ都市域の気温が変わるのかなども調べました。草原だともう都市じゃないですけどね(笑)。

Q.大学で気象学を専攻されていたということですが、そういった分野を目指そうと思ったのはどうしてですか?

昔から気象学に興味があり、それと併せて環境分野にも興味がありました。中学生くらいの時から大学を目指す時にそういった学部がある大学にいきたいなと思っていました。また、温暖化に対して興味をもって、南極とか北極の氷が溶けているシーンというのをテレビで見たんですけど、あれを見たときがすごい辛かったんですよ。それが環境に興味を持ち出したきっかけでもあるかもしれません。

Q.大学院を卒業されて産総研へ就職されていますが、何かきっかけがあったんですか?

もともと気象や環境などの専門分野で働きたいという考えがあったため、進学も視野に入れた就職活動を行っておりました。その中、そういった分野で活躍するためには、さらに専門的なスキル等が必要であることを感じ、当時の研究室の教授に相談したところ、産総研でその分野について求人があることを教えて頂きました。採用選考が進んでいた企業もあり、進路にはとても悩みましたが、長い目で見ると産総研で働きながら専門分野の勉強を積み、スキルアップを目指すのが良いだろうと考え、入所を決めました。

Q.産総研といえば様々な研究を行っている研究機関ですが、保刈さんはどのような研究をしていたのですか?

やはり主には気象・環境分野についての研究ですね。国の研究プロジェクトの中で、都市域の高温化現象の将来予測や対策について、数値シミュレーション解析によって検討を主に行うプロジェクトに所属し、研究遂行に必要となる基本データの作成やシミュレーション結果の解析等を多く行いました。その時の研究対象は、東京ではなく中部地方でして、国立大学との共同研究で行っていました。

産総研にいる方は長く研究されてきた方々なので、やはり目の付け所が違うなというのを感じましたね。普段の会話の中にも専門用語が出てきたりして、ついていけないときもありました(笑)。

Q.今回、転職をした経緯と現在の会社へ応募した経緯を教えて頂けますか。

産総研は元々、3月末までの契約職員だったので転職活動を始めました。Webで「環境・就職」といったキーワードで検索をかけているときにたまたま環境job.net(現エコリク)を見つけて、求人内容を見ても環境分野や気象関連の仕事がたくさんあったのですぐに登録しました。

そうやって見ている中に環境関連のシミュレーションをやっているとの記載がある求人があり、それが応用技術でした。ホームページを見てみるとGIS(地理情報システム)とか今まで自分が使ってきたツール、その経験が活かせるというのが一番だったと思います。

それで環境分野も昔から興味があったので、環境に対して幅広く行っている会社だったので応募しました。

Q.選考が進む中で、ここに入社しようと思ったのはどうしてですか?

面接を通して、働きやすそうだなと感じたのと社員の人柄がよくて、それが決め手でした。実は、他社からも内定を頂いていて、どちらにしようか悩んでいたのですが、最終的には社員の人柄や職場の雰囲気に魅力を感じ応用技術に決めました。

Q.実際に働いてみて面接時に感じた印象といかがでしたか?

まさに面接のときに感じた通りだったと思います。非常に働きやすい職場です。今度、歓迎会を開いてもらいます(笑)

Q.入社されて1ヵ月半ほどになりますが、今はどのような業務を行っているのですか?

保刈 和也さん 今の業務としては、被害想定支援をやってまして、例えば、震災とかがあった時にどこの地域の建物が崩れやすいか、どの断層が揺れたらどこがどう揺れるかというのを想定したハザードマップなどを作っています。チームで行っているのですが、私はGISを使って最終的なマッピングをしていくのが主な仕事です。

現在は、環境というより防災に関した業務ですね。 入社したばかりなので、今は目の前の仕事を一つ一つ行っています。

Q.今行っている業務の面白さ・大変さはどんなところですか?

面白みというところでは、入社したてなのでまだ余裕がないというのが正直なところですが、やっぱり自分が前職や大学時代に使ってきたGISなどのツールに関する知識がこの1ヵ月半くらいでかなり増えたというか、更に使えるようになったということは楽しいですね。充実してます。

大変だなと思うところは、私の経歴からなんですが、前の職場と全く異なるところです。民間企業と研究所では、そもそもの経営目的が違いますので、そういったところのギャップを感じて大変だなと思ったのと、基本的に研究所だと時間に縛られることが少ないので、納期や締切があるという違いも大きかったです。

面接のときにもこのギャップは言われていたんですが、思った以上でした。大学院から研究所ということもあり、民間企業を一回も経験せずに入社したので大変というよりも初めての経験という戸惑いでした。

Q.今後、やっていきたい事、目指していきたい事などはありますか?

やはりこれまで気象学を学んできたので、それを活かせるような分野の仕事が来たら嬉しいですね。

過去には応用技術でもヒートアイランドなどの関連業務もあったんですが、この先も業務の中でそういった気象関連に取組めていけたら嬉しいです。

Q.最後に環境ビジネスへ就職・転職を考えている方へのアドバイスをお願いします。

最初は、環境分野について学びたいという想いが大切だと思います。私も温暖化について興味を持って、気象学を勉強してきましたから。また、環境分野でよく使わるれツールを勉強するのも一つだと思います。

シミュレーションでいえば私はFORTRANを使ってまして、まだまだ初心者ですが、大学時代は先生から学んだり、前職では研究員の方に聞いたり、参考書を買って勉強していました。

あとは、一つ頑張って取り組んだ分野があると他の分野に対しても積極的に学ぶ姿勢が身に就くのではないかと思います。

大変貴重なお話、ありがとうございました。