代表取締役の堀江様、コンサルタントの高木様に仕事内容、やりがいなどをお話しいただきました。
お二人のご経歴についてお聞かせください。
堀江
私は金融出身で最初に日本興業銀行で働きました。当時はコーポレートファイナンスを中心とした営業や、NY支店でローンのシンジケーションといった業務を担当していました。その後バブル崩壊などもあり、舞台を移したいと思って外資系の金融機関に移りました。
ストラクチャードファイナンスと言われる仕組み金融案件の組成やそのマーケティングを担当しました。扱った資産としては銀行ローンや不動産、インフラなど色々ありまして、特に最後の辺りでは再生可能エネルギーファンドや排出権取引などにも関わるようになったことで、環境分野に興味を持つようになりました。今の会社を立ち上げたのが、2010年の頭になります。
堀江社長も含め、海外に留学されている方が多くいらっしゃいますよね。
堀江 最初の会社から派遣されて2年程留学した後、NY支店で働きました。中堅・中小企業向けの営業をやっていたことから、アントレプレナーシップ(Entrepreneurship)等に興味がありました。西海岸のバークレーはその分野で最先端の学校(カリフォルニア大学バークレー校)だったので、Social Responsibilityなどという言葉もバークレーで初めて聞いて、そういったことを学ぶことができたのが今に繋がっていると思っています。
高木
私は修士と博士課程とずっと建築で、環境工学から入っています。グリーンビル(環境に配慮したビル)をどうしたら普及できるかについて、まずは冷房負荷を減らすにはどうしたらよいか、と言った技術的なところから始めたのですが、そこに優れた技術はあるけれどどうやったら普及できるか、に興味が移りました。工学的な視点からだけだと、なかなかそこにたどり着かなくて、博士課程では政策的なアプローチからも研究しました。
その後に、国交省の研究所に入り、建築基準法や住宅性能評価制度など、政策を施行していく際の技術的なサポートをする仕事をしていました。5年間働いて任期を終え、よりマーケットに近いところで働きたいという想いで縁あってこちらに入社しました。
私も博士に入った直後、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの修士課程に留学して都市計画を学びました。都市計画といってもSustainable Development(持続可能な開発)が主眼になっているコースでした。日本では環境面だけしか学んでこなかったのが、サステナビリティといったときに、こんなにも社会面が強く出てくるのか、と発見できたのは面白かったですね。
事業内容についてお聞かせください。
堀江
大きく2つのビジネスがあります。1つ目は当社のお客様、主に不動産会社、J-REIT(不動産投資信託)や一般の不動産ディベロッパーの方々のESG(環境・社会・ガバナンス)に関する取り組みを進めるためのコンサルティング業務を行っています。もう1つは政府・自治体を中心としたセクターに対して、省エネや低炭素の政策や市場動向に関する調査及び助言を行うシンクタンク的な仕事もしています。
前者で言いますと、GRESB(グローバル不動産サステナビリティ・ベンチマーク)というものがありまして、これは欧州の年金基金を中心に創設された不動産会社・ファンドのESGの取組み度合を測る評価です。2009年の初回調査では日本の参加者はゼロでしたが、次の2011年から弊社が関わるようになり参加者も増えてきました。日本の参加者の評価が向上するように、様々なアドバイスも行っていますが、サステナビリティ推進全般の体制づくりやポリシー策定、環境管理システムのPDCAを回していくところなどがあります。最近ではESG情報の開示の支援が特に伸びてきています。
高木 政府機関向けの調査では、東京都や中央省庁などからの仕事があり、環境に配慮した建物(環境・省エネ建築等)に関連した海外の施策を調査するものが多いです。通常の調査に加え、英語での報告書の発行もあり、過去2回、C40 Cities(世界大都市気候先導グループ)の方たちと東京都環境局さんが一緒に調査研究をする際に、弊社が請け負い、報告書を刊行しました。内容としては世界の様々な都市の政策担当者に電話インタビューなどをして、政策プログラムを作ったり施行したりする際の苦労した点や気を付けているところなどを教えていただき、これから政策を作りはじめる都市やグローバルの研究者の方に向けて発信したというものです。
堀江
自分たちの事業もそうですし、自分たちのお客様のビジネスでも、環境・社会配慮と経済性が両立することを示すお手伝いをしたいと思っています。世の中には既に、例えば省エネに資する技術は十分にあるけれど、それを普及させて世の中を変えていく方法として、まず1つ目にはお金の流れを変えることが重要だと思っています。ESG投資というのは正にそれです。日本の不動産・インフラセクターに海外の年金基金の優良なお金を呼び込んで、経済的価値の向上にもつなげるため、日本企業のESG評価が上がるお手伝いをしています。
もう1つは政策や仕組み作りです。規制やインセンティブなど、うまく政策を打っていくことで大きく社会を動かすことができます。そのお手伝いをしたいということで、官公庁の仕事も積極的にやっています。業務としてだけではなく、国交省・環境省・東京都などの委員会のメンバーや座長として貢献させていただくことでも、そうしたお手伝いが少しは出来ているのではないかと思っています。
CSRデザイン環境投資顧問株式会社の求人情報
【正社員・年齢不問】不動産・インフラセクターでのサステナビリティ推進に直接貢献する実感が持てます!
【職種】コンサルタント・リサーチャー
CSRデザイン環境投資顧問
株式会社
堀江 隆一(ほりえ りゅういち)
- 代表取締役社長
- 国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI) 不動産WG顧問
- 責任投資原則(PRI) 日本ネットワーク 不動産WG・インフラWG議長
- 桜美林大学大学院 非常勤講師
高木 智子(たかぎ ともこ)
- マネージング・コンサルタント
- 博士(工学)
- LEED Green Associate
- CASBEE 不動産評価員
- GRI Standards Exam Certificate of Achievement