MENU

環境ビジネス情報

特集コラム ~サステナビリティとキャリア~

環境・社会配慮と経済性が
  両立することを示したい

CSRデザイン環境投資顧問株式会社
代表取締役社長 堀江 隆一 様(右)
マネージング・コンサルタント 高木 智子 様(左)

インタビュー キャリア 国内・国際

環境・CSRコンサルティング会社の中でもさらに特徴的なセクターでのコンサルティングをされていらっしゃいますが、競合他社はあるのでしょうか。

堀江 事業分野をどう定義するのかにもよりますが、不動産・インフラセクターの会社レベルでのESG全般のアドバイスにフォーカスしてやっているところは他にはないでしょうね。

高木 全般と言うのは、どなたが責任者になってどういう社内体制を組んでいくかという体制整備のところや、ポリシーを作ったり、またそのPDCAを回して実践していくというあたりですね。

堀江 2015年9月に、世界で最大の年金基金であるGPIF(Government Pension Investment Fund/年金積立金管理運用独立行政法人)がPRI(Principles for Responsible Investment/国連の責任投資原則)に署名されました。PRIは、ESGを推進する金融面で一番大きなイニシアチブだと思いますが、それから日本で「ESG投資」という言葉や概念が一気に広まりました。そのGPIFが今年の7月に、自分たちが国内株のパッシブ投資に使うESGインデックスを3つ選んだと発表しました。その中の1つのインデックスにJ-REITが7社入っていたということもあり、J-REIT業界でもESGに関するインデックスに選ばれるためにESGに関する開示をもっと充実させたいといった動きがこの3ヶ月ぐらいで急速に広がってきています。
最初にお話ししたGRESBというのは開示情報だけでなく、非開示情報も含めてかなり詳しい内容をアンケート調査で回答していただいて、裏付けとなる資料も添付していただき、それが採点・評価されるものです。GPIFが選んだインデックスは開示情報のみに基づいて評価するというものなので、いくら良い取り組みをやっていてもそれを開示していなければ評価対象になりません。日本企業のESGに関する開示も3~4年前に比べれば随分進んできましたが、まだまだ内容面において欧米企業と比べると及ばない所も多いので、このESGの開示のレベルを上げるお手伝いをして、日本の会社さんがせっかく良い取り組みやっているのになかなか投資家から評価されない、という状況を変えていきたいと思っています。

高木 大手ディベロッパーでは既にCSR報告書などで詳細な開示をされていましたが、2013年私がここに入ったころは、J-REITではほとんどサステナビリティとか環境ということは開示に出てきませんでした。最近はほとんどの場合、WEBサイトにサステナビリティに関わるセクションを持っていたり、資産運用報告とかアニュアルレポートなどのIR資料の中でも触れる例が随分増えてきました。GRESBに参加される方々をはじめとして意識が高まっているという実感もあります。とは言え、大手ディベロッパーや海外企業と比べると開示情報の厚みや深さにはまだ相当の差があると感じます。

インタビュー風景

中途採用で入社された方々の具体的なお仕事内容についてお聞かせください。

堀江 最初は補助から始まりますが、比較的早い段階から担当を持っていただいて実際にお客様のサポートをしていくことになります。その入り口としてはGRESBの年一回の評価があります。各企業に調査回答を埋めてきていただいて、その内容に弊社からアドバイスをしたうえで、英訳等を仕上げてGRESBに提出するというものです。調査内容についてどういったアドバイスができるか、先輩から聞きながらお客様に具体的なインプットをしていきます。回答を提出して評価結果が出た後は、来年以降の評価向上のために具体的にどういった取組みをしたらよいか分析・提案をしていく、というサイクルがあります。

高木 担当を持つと言ってもいきなり一人立ちするわけではなく、お客様に返す内容については社内のレビューがしっかり入ります。必要であればメール1本であっても添削するなど、かなり丁寧に確認と指導をしていますので、心配されなくて大丈夫です。

堀江 GRESB評価の結果が出るのは毎年9月なので、秋ごろは各社さんの結果の分析レポートを作っていただいています。他社さんと比べてどこが優れているか、課題はどこかをお伝えして、お客様の方で、実際に改善していこう、となれば例えばポリシーなどを一緒に策定する、その他の取組みも支援する、と言う流れです。
当社の業務分野は、環境やサステナビリティ、金融、建築・不動産などにまたがっており、またGRESBというのもユニークな指標です。すべての経験がある人はまずおらず、誰が入られてもかなりの部分は初めてですが、1年、2年でちゃんと皆一人立ちしてくれているので、そこは心配いらないと思っています。

個別の営業活動はあまりやらないんですね。

堀江 そうですね。個別の営業活動はあまりやっていません。GRESBという会社と日本市場におけるアドバイザーという立場で契約しているのは日本で我々だけなので、GRESBに取り組んでみようという方には自然にお声掛けいただける立場にあります。ただ、お声掛けをいただいた方々はできるだけ大切に対応させていただくように心がけています。
あとは色々な公的な委員会の委員をやっていたり、PRIなど国際的なイニシアチブのワーキンググループ議長やアドバイザーをやらせていただいたりしているので、そういった公的な場や国際的な場で発言や貢献していることが間接的に色々なマーケティングになっていると思います。

エコリクで人材募集中!
CSRデザイン環境投資顧問株式会社の求人情報

【正社員・年齢不問】不動産・インフラセクターでのサステナビリティ推進に直接貢献する実感が持てます!
【職種】コンサルタント・リサーチャー
堀江 隆一(ほりえ りゅういち)
  • 代表取締役社長

  • 国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI) 不動産WG顧問
  • 責任投資原則(PRI) 日本ネットワーク 不動産WG・インフラWG議長
  • 桜美林大学大学院 非常勤講師
高木 智子(たかぎ ともこ)
  • マネージング・コンサルタント

  • 博士(工学)
  • LEED Green Associate
  • CASBEE 不動産評価員
  • GRI Standards Exam Certificate of Achievement