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生態系 2017年8月号 オオタカ、レッドリストから外れる

  8月(葉月) 24節気 ⇒8月7日(月)〜立秋・8月23日(水)〜処暑

記録的災害列島

今年の7月は、各地で豪雨による被害が続出しました。その中でも最大の被害をもたらしたのが、7月5日から6日にかけて九州北部を襲った「平成29年7月九州北部豪雨」です。24時間で1,000ミリに達するという途轍もない降水量を記録。福岡、大分を合わせて34にも上る尊い命が失われました。「線状降水帯」といった聞き慣れない言葉も頻発しました。

それ以降も、岩手、宮城、新潟、山口、鳥取、島根など14の県で、洪水の被害がありました。「50年に一度の」、「60年に一度の」といった形容が何度も聞かれました。九州の場合は、台風の影響もありましたが、それ以外の豪雨は「温かく湿った空気が流れ込む」ことによるもので、いつどこで起きても不思議ではありません。さらに、こうした人的被害が出るほどではありませんが、東京を初めとする関東でも局地的な豪雨が頻発しています。地表付近が高温になった際に、上空に冷たい空気が流れ込むことにより、大気の状態が不安定になり、局地的豪雨が発生します。

豪雨災害に対する備えは、山間部ばかりではなく、都市でも必要になってきました。住んでいる地域のハザードマップを入手し、避難所などの情報を頭に入れておくことは当然として、非常持ち出し用のバッグの用意も必須です。また、特に都市部の豪雨対策としては、地下空間を避けることが挙げられます。都市部では、ほとんどがアスファルトで被われているため、道路をさまよう水が地下街や地下駐車場に流れ込むケースも増えているからです。また、豪雨の最中に運転をしていて、走行困難になった場合は、キーを付けたまま自動車を離れること。緊急車両の走行を邪魔しないためです。都市部でも、豪雨被害は人ごとではないことを忘れないようしていただきたいものです。

また、豪雨災害まではカバーしていませんが、海外から日本を訪れている観光客向けに緊急地震・津波情報を逐次知らせてくれるスマホアプリも開発されています。

オオタカ、レッドリストから外れる
◆◆まだまだ必要な生息地の保護と、自然の回廊

少し前の情報ですが、オオタカがレッドリストから除外されました。平成3年と平成10年の第1次、第2次では、「絶滅の危険が増大している種」として認定されていたオオタカですが、平成18年の第3次、平成24年の第4次では、連続して準絶滅危惧種として認定されたのです。これをもって、オオタカはもう大丈夫、というわけでは当然無いわけですが、オオタカの保護にあたっていたグループや、野生生物の生息域の保護に当たっていた人々の努力が実を結んだというべきでしょう。

オオタカは、営巣地を中心に半径2kmほどが行動圏と言われています。巣立った雄は、親元を離れると、最低でも50km、最大500kmも遠方に巣を構えるといいます。オオタカがその数を増やしていけたのは、ハトやカラスなどを捕食して生活できるたくましさにあると言えるでしょう。そのおかげで、かなりの市街地でも生息例が報告されています。もうひとつは、飛べるということ。鳥類なので、当たり前なのですが、生息域である森林が道路や住宅街などで分断されていても、その上空を瞬時に飛び越えて行けるのが、鳥類の大きなメリットと言えるでしょう。

陸上を移動する生き物の場合は、こうはいきません。例え広大な自然環境があっても、その中に高速道路が走っているだけで生息域は分断されてしまいます。そんな反省から出てきたのが「緑の回廊」という考え方です。これは、保護林どうしをネットワークさせて、より豊かで広大な生態系を実現しようとする考え方です。また、同じ森林でも、杉などの針葉樹だけの人工林や、同じ樹齢が大半を占めるような森林は生物多様性の観点から好ましくないので、人の手を加えながら、より多くの生物を育むような豊かな森に変えていく。現在、こうした施策がどれほどの効果をもたらすのかのモニタリングも実施しているといいます。その成果に期待したいものです。

国内の緑の回廊

生物多様性を守り、より豊かにしていく上で、大きな問題になるのが外来生物の問題です。生態系の中にひとたび外来生物が侵入すると、健全に保たれていたバランスが崩れ、ひいては特定の生物の危機に繋がることもあります。

現在、テレビや新聞などで話題になっているヒアリも外来種です。生態系への影響は少ないと思われますが、世界の流通の発展により日本に侵入し、温暖化などの気温の上昇により生息域が広がっています。輸入用のコンテナなどについてきた小さな侵入者が、大繁殖をとげてしまうか、水際で止めることができるか、いまはその瀬戸際と言えるでしょう。発見した際はいち早く保健所などに通報するようにしましょう。

もうひとつ、クビアカツヤカミキリというカミキリムシも日本に侵入し各地で被害をもたらしています。これは、モモやウメ、サクラ、スモモといった樹木を内側から食い尽くすやっかいな害虫です。日本への定着を許してしまえば、数年で日本中のサクラや、モモの木を食い尽くすということもあり得ます。クビアカツヤカミキリは、幼虫が木の内部に入り混み、木を食べ尽くしますが、その際に枝の上などに木屑が溜まるのが目印です。こうした木屑を見かけたら、すぐに保健所に連絡するようにしましょう。

外来種のクビアカツヤカミキリについては下記を参照してください。
http://www.city.ashikaga.tochigi.jp/uploaded/attachment/40573.pdf