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環境ビジネス情報

特集コラム ~サステナビリティとキャリア~

企業の無形資産をアピールして
投資家と繋ぐ

株式会社 エッジ・インターナショナル
ESG情報開示/対話事業推進室・EDGE基礎研究所
ESGスペシャリスト 江森 郁実 様(左)
アシスタントディレクター 周藤 潤香 様(右)

インタビュー キャリア
アニュアルレポートや統合レポートの制作支援で発展を続けている「株式会社 エッジ・インターナショナル」。
ESG専門に携わっておられる江森様、周藤様に仕事のやりがい、求める人物像などをお話しいただきました。

これまでのご経歴をお聞かせください。

江森 私は今のような仕事に携わって9年ほどになります。この会社に来てからは約3年ですが、前職でも6年ほど同じような仕事をしておりました。前職では有価証券報告書とか招集通知とか、いわゆる法定開示書類を制作支援している会社におりまして、そこでCSRやESG(環境、社会、ガバナンス)に特化して、事業会社の開示のお手伝いをしてきました。
当社はアニュアルレポートや統合レポートの制作支援をしている会社で、この会社に移ってからは、任意開示書類という、企業が自主的に開示する情報や、制作物の制作支援の中で、CSRやESG情報の開示サポートをしています。

周藤 私は新卒で入社したので主に学歴を話します。大学では主に、国際協力や国際政治を学んでいました。その中でサステナビリティという概念に興味を持ち、イギリスの大学院にてその内容をより深く学びました。しかし、学習したことは大きな枠組みの話であることが多く、仕事を通じてもっと具体的にアプローチしていきたいと思っていました。企業のサステナビリティに貢献しながら投資を促して良い世界にしていくという考えに惹かれてこの会社に入りました。

事業内容をお聞かせください。

江森 当社は創業して27年になる会社で、アニュアルレポートの制作を中心に上場会社、特に大規模な上場会社のIR(Investor Relations)の支援をしてきました。創業の頃は、英文の年次決算報告という位置づけでアニュアルレポートを作ってきた上場会社が多かったと思います。ただ、2008年のリーマンショックをきっかけにもっと長期志向で企業を評価しようという、揺り戻しが投資家に来ました。以前は、企業が中長期的に成長するかを見て、投資家は投資していたと思いますが、インターネットが普及して株式の高速取引ができるようになって、環境とか社会を含めた企業価値を見ずに、株価だけを追いかけているような時代が2008年くらいまでありました。そういう投資家も未だにいますが、当社が作るようなアニュアルレポートとか統合レポートは、企業が10年後、30年後も持続的に成長しているだろうかということを念頭に、投資をする長期投資家のためのレポートを作ろうとお手伝いをしています。

長期的に成長しますということをレポートで訴求するのは非常に難しいです。外部環境の説明もしなくてはならないし、設備投資などの有形資産だけではなくて、自分たちは環境の技術を持っているとか、従業員がこれだけパワーを持っているとか、そういった目に見えないもの…無形資産も説明していかないといけない。そのためには企業から色々ヒアリングをしながら一緒にレポートを作ります。単に原稿をもらって綺麗にデザインしてというのではなくて、より質を高める努力をしているのが、この数年の状況です。作っている媒体自体は、冊子だったりWebサイトだったり、そんなに大きく変わるものではありませんが、より中身の質の方にフォーカスを当てて来ているという状況だと思います。

江森 郁実(えもり いくみ)
  • 2008年から企業の法定開示、任意開示におけるESG情報開示全般のコンサルティングに従事。
  • 2014年より現職。日本サステナブル投資フォーラム(JSIF)運営委員、企業価値レポーティング・ラボ運営事務局を務める。
  • 共著「統合報告書による情報開示の新潮流」(同文舘出版)
周藤 潤香(しゅうとう ひろか)
  • 2015年、中央大学 総合政策学部プロフェッショナルコース卒。
  • 2016年、英国リーズ大学院 地球環境学部サステナビリティ学科修士課程修了。
  • 学生時代に学んだ持続可能な発展(社会)の概念を実現すべく、投資の流れで企業、社会を持続可能にしていく一部の役割を担える仕事内容に感銘をうけ、2016年入社を決意し現職に至る。
  • 企業のESG情報開示のためのリサーチを担当。