今後どういった人物と一緒に仕事がしたいか、またどういった人材を求めているかをお聞かせください。
周藤
私は個性的な人が良いと思います。
この会社は本当に個性的な人が多いです。ある意味自分を持っていて流されにくいと言えるかもしれません。ちゃんとイエスならイエスだしノーならノーと言え、やりたいことは積極的にアピールしていく人が求められるのではないかなと思います。上下関係が厳しくなく、どの立場でも意見が言える環境であるため積極的な方は重宝されると思います。
自分の軸があるというか、強い意見を持っている…そういう人ですね。
江森
一緒に仕事をしたいのは、新しいことが好きな人が良いですね。
ESGのトレンドは急速に動いているので、既存のサービスをちょっとアレンジくらいではすまないんですよね。当社は新しいやり方や情報をきちんと事業会社側に伝えなくてはいけないのに、それに関しては前例が無いんです。海外のプラクティスから学ぶことはできますが、日本企業の中にはノウハウは極々一部の会社にしか無いという状態なので、新しいことをどんどん受け入れて提案して、お手伝いしていかなくてはいけない。言われたことだけをやっているのだと、うまく仕事が進まないと思うので、新しいことが考えられる人が向いているんじゃないかなと思います。
周藤
そういう意味では好奇心も大事だと思います。
当社はクライアントである企業の成長力を投資家に伝えるためにレポートを制作していますが、そもそも企業自体を知らないと何も原稿が書けません。そのため、クライアント企業に対して好奇心を持って調べられ、こういう取り組み面白いなとか、これを取り上げようと提案できるような人が必要とされると思います。
最後に環境ビジネスへ就職・転職を考えられている方へアドバイスをお願いします。
江森
当社のようなCSRコンサルティングに限らず、環境ビジネスと言ったときは、経済性とのバランスをとることが大事だと思います。自分で環境や社会に貢献したいという希望があった時に、環境にだけ良ければ良いということではないと思うんですよね。
私も環境やCSRがやりたいと思ってこの会社にいて、先ほど仕事内容でお話したようにリサーチや渉外活動もしています。ただ、そっちに比重を置いてしまって、当社の短期的な売り上げを無視して、長期的には売り上げが出るからと言ってもそんなことは通じない。とりあえず今期このくらい利益に貢献しましたというのがないと、この会社の成長に全然貢献していないことになるので、それはダメだろうなと。短期、中期、長期的なものがそれぞれあると思うんですけど、営利団体にいる以上はきちんと短期的な経済性も考慮した上で、環境とかCSRとかの自分のやりたいこととのバランスをとりながら続けたいと思う仕事をする。そこをちゃんと理解した上で、環境ビジネス、CSRの分野とかに飛び込むと良いと思います。
周藤 私は新卒の時に、現場で直接影響を与える立場で働きたいのか、間接的だけれども広く薄く影響を与える立場で働きたいのかを、とても考えました。現場の仕事だと環境アセスメントなど、現地に行き汚染濃度を調査するなどの仕事になると思います。私は社会全体の流れを見渡し学びつつ、広く影響を与えるような仕事をしたいと思っていたので、今の仕事を選びました。どのような場所で、どのような人を相手に仕事を行いたいかを考えられていると、仕事を探しやすいのかなと思います。
環境分野は本当に広いので悩みますね。水質や森林など、それぞれの興味で全く職種が違ってきますし、そこを間違えて仕事を決めてしまうと、入社してからイメージしたことと違うと感じてしまうのではないかと思います。新卒の場合は自分のスキルをどう活かすというよりも、興味や目標、どういう世界にしたいのかという目標を持っていて、それに貢献するためにはどういう仕事に就きたいのか、ということを明確にしていくと企業が絞れるのかなと思います。
江森 郁実(えもり いくみ)
- 2008年から企業の法定開示、任意開示におけるESG情報開示全般のコンサルティングに従事。
- 2014年より現職。日本サステナブル投資フォーラム(JSIF)運営委員、企業価値レポーティング・ラボ運営事務局を務める。
- 共著「統合報告書による情報開示の新潮流」(同文舘出版)
周藤 潤香(しゅうとう ひろか)
- 2015年、中央大学 総合政策学部プロフェッショナルコース卒。
- 2016年、英国リーズ大学院 地球環境学部サステナビリティ学科修士課程修了。
- 学生時代に学んだ持続可能な発展(社会)の概念を実現すべく、投資の流れで企業、社会を持続可能にしていく一部の役割を担える仕事内容に感銘をうけ、2016年入社を決意し現職に至る。
- 企業のESG情報開示のためのリサーチを担当。