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環境ビジネス情報

特集コラム ~サステナビリティとキャリア~

幅広い環境保全事業に
  上流側で携わる仕事

国際航業株式会社 技術サービス本部 環境保全部
部長 大谷 徹 様(右)
環境グループ長 鶴間 亮一 様(左)

インタビュー キャリア

業務の内容をお聞かせください。

大谷 環境分野では、国や県、市町村から受託する環境調査や環境アセスメントがメインで、たとえば国土交通省の「河川水辺の国勢調査」という河川環境の基礎調査や、大気質や騒音・振動の調査を行う生活環境調査を受託しています。
また、公共事業やエネルギー関連施設についての環境アセスメントを行っています。近年では民間企業の工場などにおける環境調査や環境アセスメントへ業容を拡大しています。

その他、自然循環という観点に立ち、廃棄物処理業務、再生可能エネルギーの導入コンサルティング、土壌地下水汚染対策業務、廃棄物処理施設の計画、中間処理施設や最終処分場の計画・設計など、一連の業務を手がけています。土壌地下水汚染対策業務では、まず土壌汚染を調査し、もし汚染が発見された場合には、法律に基づいた対策を実施します。

具体的な仕事内容、事例をお聞かせください。

鶴間 例えば「河川水辺の国勢調査」では、河川やダムに赴いて生物の状況を調査し、その結果をとりまとめます。環境アセスメントでは、新たに何かを建設する候補地について、調査方法を検討し、調査を行い、建設した場合の影響やそれを回避・低減するための対策を検討してとりまとめます。私は学生の頃に専門としていた哺乳類を中心に調査を行っていますが、植物や昆虫類などを専門とするメンバーとチームを組んで、一緒に調査します。
最近は、生物多様性というキーワードが注目されており、「生物多様性の保全に取り組むために、企業として工場でできることを教えて欲しい」というご相談を受けることがあります。現状を調査・解析させていただいた上で、最適な保全活動をご提案するような仕事も増えています。

具体的にはどのような活動を提案されていますか?

鶴間 例えば何か貴重な生物や環境が見つかった場合には、それらの維持管理を提案しています。また、従業員の皆様に貴重な生物の存在を知っていただくよう、看板の設置や観察会の実施を推奨することもあります。担当部署が少人数のときには、広く従業員を巻き込んでいくような仕組みを提案しています。
このような活動は、継続が重要ですから、一回調査しただけで終わってしまわないよう、できるだけ息の長い仕組みを構築することを意識しています。

継続が重要ですから、一回調査しただけで終わってしまわないよう、できるだけ息の長い仕組みを構築することを意識しています

お二人の所属する「環境保全部」は防災関係のお仕事もあるとのこと。防災は直接環境に関係しませんが、環境ビジネスの中でも注目が集まってきているビジネスだと思います。

大谷 最近では地球温暖化をはじめとする気候変動によって、洪水などの災害リスクが高くなっており、防災関連のニーズは高いと思います。
当社は、航空測量技術で空から調査して災害のリスクを把握し、防災・減災計画の作成や防災施設の設計、維持管理など防災に関する一連の業務を行っています。

大谷 徹(おおたに とおる)
  • 1989年、国際航業入社。
  • 2015年より技術サービス本部環境保全部長として、環境関連事業に携わるグループをマネジメントしている。
  • 技術士(建設部門)や測量士、空間情報総括管理技術者の資格を保有し、河川事業に関する業務に従事する一方、社内の各種プロジェクトに取り組んでいる。
鶴間 亮一(つるま りょういち)
  • 2008年、中途採用により国際航業入社。
  • 専門とする野生動物保全に関する知識、経験を活かし、自然環境調査業務、環境アセスメント業務等に従事する。
  • 2015年より技術サービス本部環境保全部の環境グループ長として、自然・生活環境調査、環境アセスメント等の業務に携わるグループのマネジメントも行う。
  • 技術士(環境部門、建設部門)の資格を保有する。