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環境ビジネス情報

特集コラム ~サステイナビリティとキャリア~

都市の緑を評価し、支援する

公益財団法人都市緑化機構
企画調査部研究員 菊池 佐智子 様

インタビュー 制度・法律

菊池様のこれまでのご経歴と現在関わっている業務内容についてお聞かせください。

私は大学を卒業したあと同じ大学の大学院に進学して、博士を取った後に派遣会社に登録をして、大学のポスドクをやりながら国の研究所の方で研究業務に携わっていました。そのあとはいくつかの大学の講師や助教をやって2016年から今の機構で勤務しています。
その間、大学では都市の緑についての研究をしておりましたが、緑だけだと他の分野、土木や建築分野、近いところでは河川の分野とはうまくいかないので、博士をとったあと、河川環境、水辺の環境に関する業務を行い、経済・社会分野の「環境経済」も学びました。例えば、緑地を整備するといくらかかるのかはわかりますが、それが効果としていくらくらいになるか、また、バイオマス発電を考えたときに、発電量は通常の化石燃料とバイオマスを使用するのではどう違うのか?などを学び今に至っています。
今、機構でやっている業務は、先ほどお話しした中では、緑の評価、SEGESをメインにやっております。それ以外に都市の緑3表彰の屋上・壁面緑化技術コンクール、他に調査研究・研究業務もいくつか携わっています。

菊池様はなぜこういう道を目指したのでしょうか?

私は、花屋とか植物に関わる仕事をしたいと思っていました。最初は植物の遺伝子組み換えで青いバラをつくるとかをやりたかったんですが、それだとつくって終わりじゃないですか。それよりももう少し生活に近い部分で緑に携わる仕事がしたいと考えるようになりました。大学にいた時は緑をつくる側のことをもう少し知ってもらいたいし、そういう基礎知識がないと外に出た時に上辺だけというか間違った情報になるのはすごく怖いので、そこを専門的な立場から学生たちに伝えたいと思いやっていました。
現在は、緑に対して民間の企業がどういう風に思っているのかを知りたいですし、それによって今後、民有地の緑というものが大事になってくると思います。どうやったら開発から護れるか、開発をしてもやはり緑は大事だよねってつくってもらえるか、経営者の方が代わってもここは大事ですと上手くつなげていけるような感じの仕事として携わっていけたらと思っています。

緑の分野で働きたい方へのメッセージをいただけますでしょうか。

色々な分野を知っていただいた方がいいのかなと思います。緑の分野だけだとなかなか広がらないんですよね。専門性を高めることはすごく重要だと思いますが、それだけに固執してしまうと、緑だけでは仕事がない状況なので、例えば建築の分野のことをちょっと勉強して建築の分野との融合を図るとか、土木を勉強して土木との融合を図る。土木や建築の手が届かない部分とか、もうちょっとできたらなというところを緑で応援する形で今の仕事ができているのかなと思います。
もちろん、理工学系の内容だけではなくて社会や経済の分野についても、特に経済の分野なんかは、今後、緑をどうするか、人口が減ってきていて空き地が増えている中でどうやって緑を管理するかという経済の問題もありますし、医療の分野に関しても、何もない病室よりは植物があった方がいいと、園芸療法などもあります。そういう分野でも緑は出番があると思います。植物とか緑だけに集中するのではなくて、もう少し近い分野を広く見る目を持っていただいて、研究なり仕事を探してもらう方が、緑が、逆に他のところにない強みになって展開できるのではないかと思っています。

公益財団法人都市緑化機構

貴重なお話をいただきありがとうございました。 記事掲載日:2018.06.20

菊池 佐智子(きくち さちこ)
  • 公益財団法人都市緑化機構
    企画調査部研究員

  • 2007年大学院修了 農学(博士)
  • 国土交通省国土技術政策総合研究所、東北大学大学院、茨城大学、山梨県富士山科学研究所に勤務。
  • 2016年より、現職。

  • 専門は、環境緑化、緑化工学、緑地計画、水循環。