土木施工管理技士は、国土交通省が管轄する国家資格。土木工事にあたって施工計画を立案し、工事の現場で指揮管理を行う技術職であり、1級、2級の区分がある。
1級はすべての土木工事で主任技術者(監理技術者)になることができ、2級は土木、鋼構造物塗装、薬液注入に分かれ、それぞれの種の土木工事の主任技術者になれる。いずれも担当する土木工事の施工計画を作成し、現場における工程管理、安全管理などの指揮管理を行う。
土木工事とは、河川の堤防や護岸、ダム、道路、橋梁、港湾、トンネル、埋め立て・干拓、鉄道、上下水道などの工事を言う。多くの現場で複数の業者と多数の作業員が関係するので、安全に注意しながら、全体の進捗管理を行うのが土木施工管理技士の職務だ。現場の作業員に直接指示するのではなく、現場工事の責任者に指示を与える。
工事の進捗は天候に左右され、悪天候は安全性を脅かすこともあるので気象の変化に気を付けなくてはならない。
仕事中はヘルメットをかぶって現場を歩いて監督する。土木工事が必要な場所は辺鄙な場所であることが多く、大型の土木工事の場合は、長期にわたり現地のプレハブで暮らすことになる。現地住民との関係を良好に保つために、地元の集会に出かけてコミュニケーションを図ることもある。
土木工事は形になって地図に残る。上空から撮影したGoogleマップで確認することもできる。カーナビにも出る。数十年後、100年後にも残っている可能性は高い。そういう大きなことをしたい人に向いている。
土木工事のスケジュールは短くても月単位であり、年単位の大型プロジェクトも少なくない。資材や土木機械の調達、現場作業員の確保、天候の変化を見ながらの進捗管理という土木施工管理技士の仕事は、複雑なジグソーパズルを解くのに似ている。精密な判断力が必要だ。
たくさんの場所に行き、多くの人と会うことになるので、好奇心旺盛な社交的な人が向いている。
土木工事を受注するために必須なのが土木施工管理技士。工事受注後の現場監督としても重要な役割を果たす。
東日本大震災の津波と原発事故に起因する土木工事は増大しているが、資材、建設機械、作業員のいずれも不足しており、今後長期にわたって工事は多いと考えられる。また2020年東京オリンピックに向けての首都圏の交通網整備の工事も急増している。土木工事が増えれば土木施工管理技士へのニーズも高まる。
転職でも土木施工管理技士は有利であり、将来性に不安はない。
土木施工管理技士試験には、学科と実地がある。1級の学科試験(マークシート方式)は土木工学等、施工管理法、法規が試験科目となる。実地試験は学科合格者等が受験でき、施工管理法に関する記述式の筆記試験である。
2級は学科試験・実地試験を同時に行われ、学科はマークシート方式で土木工学等、種別ごとの施工管理法、法規が試験科目となる。実地試験は種別ごとの施工管理法に関する記述式の筆記試験となる。
土木施工管理技士資格試験を受験するためには実務経験が必要。1級、2級ともに学歴と実務経験の年数によって受験資格を規定している。たとえば2級を受験するためには、大学の指定学科卒業生は1年以上の実務経験で受験できる。指定学科とは土木工学、都市工学、衛生工学、交通工学、及び建築学に関する学科等がある。それ以外の学科卒業生は1年6か月以上の実務経験が必要となる。
試験日は2級土木施工管理技士は10月下旬、1級土木施工管理技士は学科試験が7月初旬、実地試験が10月初旬に行われる。
受験資格等詳細はホームページを参照ください。
一般財団法人全国建設研修センター
2級土木施工管理技術検定試験
1級土木施工管理技術検定試験
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