管工事施工管理技士は、国土交通省が管轄する国家資格。住宅、ビル、工場などの建設物にはガス配管、上下水道管、空調ダクトなどの「管」が通っている。この管に関する工事の施工計画を立案し、工程、品質、安全などを管理・監督するのが管工事施工管理技士である。1級、2級の区分がある。
1級有資格者は、建設業法が定める、特定建設業の営業所に置かなければならない専任の技術者や、工事現場ごとに置かなければならない主任技術者および監理技術者になることができる。
2級有資格者は、建設業法が定める一般建設業の営業所の専任技術者や、工事現場における主任技術者となることができる。
なお監理技術者とは、外注総額3000万円以上の工事の時に現場に配置する技術者をいい、主任技術者とは、3000万円未満の現場に配置する技術者をいう。
管工事は、建物の建設スケジュールに左右される。管の位置は施工図に記載されており、必要な位置に「孔」を確保していかねばならない。通す管の種類、太さによって孔の径や形状をチェックする。
水道、ガス、空調などの用途によって管の径や材質が変わってくる。その手配も重要だ。管の材質によって工法を変えることもある。また、他の工事の進捗状況に応じて、管工事の進捗を調整することもある。
工事の全体を見渡す俯瞰的な視点は、どの種の施工管理技士でも必要だが、管工事のミスは取り戻せない致命的なものになるので、施工図との照合だけでなく、配管そのものの構造をイメージして工事するセンスが必要となる。
2014年2月には管工事のミスによって豪華マンションを廃棄せざるを得ないという事件もおきている。
この事件は、東京・青山の「欠陥億ション」で水道管などを通す「孔」を設けていなかった。「孔」を設けるのは建築中に限り、完成したコンクリートと鉄筋の躯体に後から「孔」を通すことはできない。
管工事施工管理技士は、冷暖房、給排水・給湯、ダクト工事、浄化槽、ガス管など「管」に関わる工事の一切を請け負える。企業からは資格手当として、1級で1万円、2級で5000円程度の手当が支給されることが多い。
転職でも管工事業者や建設企業への就職が有利になる。有資格者の需要は多く、定年を迎えた方でも採用をしている企業も多い。
現在は大型商業施設の建設ラッシュが続き、今後、古い耐震基準で建設された1960~70年代、80年代初頭のビルの立て替えが増大していくことに伴い、管工事施工管理技士のニーズは一層高まるものとみられる。
管工事施工管理技士試験には、学科試験と実地試験がある。1級、2級ともに学科試験(マークシート方式)は機械工学等、施工管理法、法規。実地試験(記述式の筆記試験)は施工管理法である。
管工事施工管理技士資格試験を受験するためには1級、2級ともに学歴と実務経験の年数によって受験資格を規定している。2級の受験は、大学の指定学科卒業生は1年以上の実務経験で受験できる。指定学科とは土木工学、都市工学、衛生工学、及び電気工学に関する学科等がある。それ以外の学科卒業生は1年6か月以上の実務経験が必要だ。
2級の試験日は11月中旬(学科試験と実地試験が同一日)、1級の試験日は学科試験が9月初旬、実地試験が12月初旬に行われる。
平成26年度は1級、2級ともに学科試験及び実地試験の別に応じて試験の得点がそれぞれ60%以上の者が合格するが、試験の実施状況等を踏まえ、変更する可能性がある。
平成25年度の合格率は1級の学科が38.9%、実地が67.8%。2級の学科が50.1%、実地が37.9%であった。
受験資格等詳細はホームページを参照ください。
一般財団法人全国建設研修センター
2級管工事施工管理技術検定試験
1級管工事施工管理技術検定試験
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